終電間際の電車で対決が始まった

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金曜日の夜、終電2本前の電車に乗った時のこと

 

満員電車でギューギューの状態だった

ドア付近で人々を支えにして他人の力で立ち、ボーッとしていると

近辺でボソボソとした、くぐもった女性の声が聞こえる

 

語気は穏やかでなく、怒っている様子が聞いて取れた

独り言なのか、それとも誰かに対して言っているのか

 

耳をそばだてていると

「さっきから何バッグ 人に当てとんねん」

聞き取れた。どうやら誰かに文句を言っているようだ

 

「お前だよお前 聞いとんのか」

酔ってるのかどうかは判別できない

しかし声の主が、私から一人飛ばした先にいる、後ろ姿の女性であることがわかってきた

 

「ガチガチガチガチ、当たっとんねん、わかっとんのかお前」

関西弁だった(言葉に誤りがありましたらゴメンナサイ)。ここは東京である

 

関西弁VS関東弁・・・! 

この図式になったら言葉として関東弁は分が悪い

いや、圧倒的に関西弁の勝利であろう・・

関東弁の負けや!! やばし!

カーンカーンカーン!!!

 

と心の中では盛大にゴングを鳴らしていたが、

私も含め、皆聞こえないふりをしてじっと押し黙る

 

一体誰に対して発しているのだろうか

誰も反応していないし、言われた本人は気づいてないのかもしれない

 

なんかまだ文句言ってる。ああ・・・早く次の駅に着かないかな

あと5分くらいはありそうだ、胸がザワついてくる

早くも私は密集状態での緊迫感に耐えられなくなってきた

 

 

「さっきから、いちいちうるさいんや、アンタ」

 

ん?

文句を言われていた女性は気づいていたのだ、間をおいて応戦を始めた

「だいたいな、全然当たってへんやろ」

 

って関西べーん!

 

関西弁やー!! ヨカター!!!

関西弁VS関西弁、しかも応戦の言葉を聞く限り、相手の女性も強そうである

 

私は気が弱いので、この緊迫感に耐えられず、たとえ自分が悪くなくても

反射的に謝ってしまう気がする

車両は罵詈雑言と邪悪な空気と緊張感に包まれ、

自分は言葉のフルボッコに・・・

そして悔しさと屈辱感からその夜は枕を濡らすのだった。

 

と想像すると、関西弁と気の強さを併せ持つ女性で本当によかった

車内の空気がちょっと明るくなった気がした

やり返せる強い女性with関西弁が、一筋の希望を車内に差し込んでくれたのだ

 

胸を撫で下ろし、戦いをそっと観戦(でも二人とも後ろ姿)

 

言葉のボクシングが始まった

ジャブを打ち合う。どちらも譲らない・・おっと、これはカウンターか? 

カウンターで大切なのはタイミングとハート(勇気)だぜ? 行け!!

 

なんて派手なことにはならず、粛々と言い合いを続けている。

もうすぐ次の駅に到着だ

 

「じゃあ外出ようや」「は?」

「外で対決や」「わかった、行ったるわ、対決な」

「降りるで」

「駅員に決めてもらうから」

 

対・決・・・!!

降りるの?降りて対決するの?

多分対決してたら終電過ぎちゃうよ、終電に間に合うように電車乗ったんでしょ、

それっていいの、大丈夫?

 

駅員さんをジャッジにするそうだ

彼女たちは、本当に次の駅で人の波に乗って共に降りて行きました

 

 

おしまい

 

 

カウンターで大事なのは、タイミングとハートだぜ BY宮田くん

はじめの一歩(1) (講談社漫画文庫)

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