みうらじゅんはブルーオーシャンを見つけて攻められる天才だと思う

 

ちょっと前になりますがテレビを見ていたら、みうらじゅんが「シンス」を話の合間にちょいちょい挟み込んでいました。

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シンス。お店や家やグッズなどについてるあのシンスです。最近一番グッときてるのが、シンスとのこと

 

はっ、みうらじゅんが「一人電通」を粛々と展開してる!

以前読んだ『「ない仕事」の作り方』(みうらじゅん著/文藝春秋)を思い出しました。

 

「シンス、シンス」と隙あらば会話に織り込んでくるので、「またみうらが、変なこと言ってるよ」と思われそうですが、実はあれも彼の立派な仕事の仕込みです。

 

これを機に、またこの本を読み返しました。

 

 みうらじゅんの肩書きは、「など」かもしれない

恐ろしいことに、皆さんの生活の中にはみうらじゅんが潜んでいます。

 

存知の方も多いと思いますが、「マイブーム」「ゆるキャラ」、彼が作ったその造語を一度は口にしたことがあるでしょう。知らない間に私たちは、みうらじゅんに生活を侵食されているのです。見た目からつい油断してしまいますが、末恐ろしい人物です。

 

私の場合は中学生の頃から。進研ゼミについていた別冊でみうら氏が連載を持っていたため、気がついたら身近になっていたのです。ちなみに自らみうら氏にお世話になり始めたのは「いやげ物」からでした。

  

マイブーム、ゆるキャラ、フィギュ和、地獄表、いやげ物、カスハガ、ヘンジク、とんまつり(個人的には「カスハガ」(カスみたいな絵葉書)の響きがグッときます)。

 

あらゆるブルーオーシャンを見つけています。

 

一体肩書きは何なのでしょう。

肩書きを求められるときには、「イラストレーターなど」と名乗っています。今やこの「など」の方が仕事の割合が大きく、もはや肩書きは「など」だけではないか?と自分でも思うほどです。

 「など」。

 

みうらじゅんの仕事は、ほとんど全てが「ない仕事」だったんですよね。それって、とてもすごいことではないですか? なかった仕事を、自分で作る。 誰でもできることではありません。

 

そうだったのか、みうらじゅん

みうら氏の紹介ついでに、この本で初めて知った彼のことを。

 

ちなみに今でも私が髪を長髪で真ん中分けにしているのは、同世代のアイドルとして高校時代から大好きだった、栗田ひろみさんになりたかったからなのです。 

 え。

 

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(引退35年の美少女アイドル「栗田ひろみ」を感涙キャッチ! | アサ芸プラス

より引用)

 

ビジネス書です

さて、『「ない仕事」の作り方』はビジネス書です。そこらへんのアゲアゲ系ビジネス書などより内容が濃く、参考になると思ったのが率直な感想です。

そして面白い。ちょいちょい挟み込んできています。

 

・「ゆるキャラは八百万の神のように、全国にどっさりいる」

 

・私の夢枕にお釈迦様が立ち、「何やってるの、あなた、全部の文字を集めないと意味ないじゃない」とおっしゃったのです。ちなみに、なぜかその声は井上陽水さんにそっくりでした。

 

・自室をジョン・レノンの「イマジン」に掛けて「イマ寺院」と呼び、学校でも弘法大師のモノマネをやったりしていました。

 

 

 普通にためになる面白さ以外にも、こういう意味での「面白い」も、あります。

 

ブルーオーシャンの開拓

 仕事を作ってみたい人も、副業を考えてる人も、会社員も、何かしら得るものがある本だと言えます。具体的にどうやってブルーオーシャンを見つけ、開拓しているのか。本書で、手の内を披露してくれています。

 

“好きなことやものがあってすでに対象物を収集していたとしても、ただそれだけではコレクター。 どれだけ面白いことを考えても、人に知られなければ仕事ではない。

面白いと思ったことがあれば、流行るかどうかを待つのではなく、仕掛けていくのが大切なのだ”

 

なんてことを、みうらじゅんが書いてるんですよ! しかも具体的でわかりやすいっていう。ちょっと疑ってかかって読み始めましたが、実は実践的なビジネス書と言っていいでしょう。

 

のうのうと自然と趣味を仕事にしているようで、実は考えているし、継続するし、努力をしているのがこの本でわかりました。そう見えないということは、一枚上手な人間なのでしょう。

 

ちなみに接待をするときには、タバコをスッと上司の目の前に置いておく。2段重ねで。 などの細かいことまで教えてくれます。

 

名前を作るときの決まりのようなもの 

彼はネーミングのセンスが抜群ですよね。これは、

 

水と油、もしくは全く関係がないものを結びつけるようにしています。

A+B=ABではなく、A+B=Cになるようにする。そしてAかBのどちらかは、もう一方を打ち消すようなネガティブなものにします。

 

このように作っているらしいです。

もはや世間一般で使われている「マイブーム」や「ゆるキャラ」なども実はこの方式。

  

 

どの仕事でも応用できそう。みうらじゅんの仕事術

 以下のような仕事への姿勢が、これまた汎用性がありそうですし、いい仕事ができそうではありませんか。

 

私は仕事をする際、「大人数に受けよう」という気持ちでは動いていません。「あの後輩が笑ってくれるように書こう」「イベントにいつもきてくれるあのファンにウケたい」とほぼ近しい一人や二人に向けてやっています。 

 

そして

知らない大人数の人に向けて仕事をするのは、無理です。

顔が見えない人に向けては何も発信できないし、発信してみたところで、きっと伝えたいことがぼやけてしまいます。 

核をついてきます。

 

私の場合、そんな「喜ばせたい読者」の最高峰は誰かといえば、それは母親です。

私はデビュー以来ずっと、母親に褒められたくてこの仕事を続けてきたような気がします。  

 いい話になってきました。母親とは偉大なもんなのですね。それとも親孝行プレイの一環でしょうか。

 

母親さえ許してくれれば、そして「おもろいわ」と言ってくればそれでいいのです。逆にいえば、母親が嫌がりそうなことだけをやらなければいいのです。

 

ってこのあと、「人生エロエロ」という本の話に続いていくのですが。

 

 深堀する、続けること。キープオンロケンロール!

 みうら氏の特筆すべき点といえば

 

・趣味(好きなこと)の深堀り

・それを継続する力

 

ではないでしょうか。

 

仏像も小学生からですし、「ザ・スライドショー」も20年近く、そして「勝手に観光協会」も約20年。仕事にしていないけど、「エロスクラップ」は休まず35年も続けているそうです。

 

私なんて超絶飽きっぽいですから、例えば5年続けてることを見つけるのも難しい。そう思うと、尊敬に値する継続力です。超人かもです。

 

趣味は突き詰めなければ意味がありません。

対象そのものが好きだからぐらいでは困るのです。アイドルグループが好き、将棋が好き、イタリア料理を作るのが好き。すべて「そのまま」では何も生み出すことはできません。

 そして話はチャールズブロンソンズに繋がり、ぶちゃむくれフェイス、ブロン葬へと続いて行きます。

 

これが突き詰めるです。なぜ好きなのか、そこをどんどん狭めて考えていったときに、誰も手をつけていない「ジャンル」が浮かび上がってくるのです。

そしてさらに畳み掛けます。 

 

「キープオン・ロケンロール!」

言うは易いですが、やり続けることが大切なのです。何かを好きになるということは、自分を徐々に洗脳して、長く時間をかけて修行をして、対象のことを深く知ってからでないと、長続きもしないし、人を説得することもできないということです。

 ささります、ささります。

 

コツコツと自分だけの「好き」を極めていかないといけない。奥が深い世界であればあるほど、軽く口にしてはいけないのです。

感服。お手上げです。

 

自分をなくすことから

 

ブルーオーシャンを見つけるいいセンサーを持っていますし、何より先述の深堀りと続ける力がみうらじゅんが独自である所以かもしれませんね。天才だと思います。

 

また「俺が、俺が」じゃないのがいい。

 

普通、自分で仕事を作る、となると「私が」を出したい、もしくは出てしまうものではないでしょうか。

 

しかしみうら氏は違います。

 

こんな仕事をしているので、私自身がさぞ自己主張が強いと思われがちですが、実はそうではありません。私が何かをやるときの主語は、あくまで「私が」ではありません。「海女が」とか「仏像が」という観点から始めるのです。

 「海人が」「仏像が」。

 

そもそも何かをプロデュースするという行為は、自分をなくしていくことです。自分のアイデアは対象物のためだけにあると思うべきなのです。

  自分なくしの旅。

 

長年やってくると、「私が」の意識の邪魔さに気づき、「私」が取れていきます。「海女が目立てばいい」「仏像がもっとヤング層に受ければ!」となってくる。

すると、そうなるためのいちばんよい方法を考えるようになる。「私はこういう仕事がしたい」という考えのうちは、逆になかなかその仕事は形にはなりません。

 海女や仏像が出てくるので気をとられますが、いいことを言っている。

 

自分を消し、あたかも「なかったもの」が流行っているかのように主語を変えてプレゼンしてみる。すると、人々は「流行っているのかな?」と、ようやく目を向けてくれるようになるとのこと。

 

でも、不思議とみうらじゅん、っていう感じが仕上がったときにはするんですよね。

  

 みうらじゅんの手にかかれば物事が軽くなる

 みうら氏がいいのは、例えば仏像でもお祭りでも、本来ならどうとでも難しく真面目に話せることを、独自の視点から見て一般に下ろしてくれる。その結果こちらが受け取るときには、軽くなる。

だからこそブームになったりするし、笑えたりして楽しくなるのでしょう。

 

本書では「ポップにする」という表現を使っていますが、

そのままで発表しても面白くないもの、伝わらないものが、全く違うものと結びついたときに、最初に「おかしい」と思ったことの真髄が現れるような気がするのです。

ふむふむ。へむへむ。

 

 「高い敷居」や「暗黙の了解」といったものを取り除きたい。そんな思いも私の「ない仕事」のモチベーションの一つになっているのかもしれません。

ジーン・・・・

 

簡単に言ってしまえば、こちらを楽しくしてくれる。重くならない。「知りたい」「楽しみたい」「面白がりたい」の欲を叶えてくれるのがみうらじゅんです。

 

ひとつはっきりしていることは、他人と同じことをしていては駄目だということです。なぜかというと、つまらないからです。

皆と同じ人気職種を目指し、同じ地位を目指すのは、競争率も高いし、しんどいじゃないですか。

それよりも、人がやっていないことを見つけて達成するほうが、楽しいじゃありませんか。

や、やさしい・・・!! この文章を見て、彼の優しさを感じたのは私だけでしょうか?

 

しんどくて厳しい社会はいやですよね。

みうらじゅんっぽい人が増えたら、もっと楽しくて、優しい社会になりそうではありませんか。

 

随所に、 

大通りヘップバーン、自分塾、親コーラー、AMA(エーエムエー)、レッツゴー不自然、不安タスティック!、空あり、写真経、後ろメタファー・・・・・

 と、どんどんどんどん挟み込んできます。どんだけ! こちらが息切れするほどです。 

 

読んでよかったです。2回読んでも、読んでよかった! って思いました。

 

 

 

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